サヨナラ バイク

未練たらしく置いてあった愛車を廃品回収車に持っていってもらった。
乗らなくなってから１０数年。今となってはただのゴミでしかなかったのだが。



動かないし、動かすだけのお金をかける気もないし、
邪魔だから処分しようと思いつつ時は過ぎ。
いざ処分となると、なんだか踏ん切りがつかず放置してあった。

しかしながら今回、とうとう置き場がなくなったので処分することに。
近所を走っていた廃品回収車を呼び止め持って行ってもらうことにした。
廃品回収のおじさんは、
「前に聞いたときは断られたんですけどね～」
と言っていた。
そうだ。確かに、「思い出の品だから処分しません」と断っていた。
これは嘘ではない。

大学に入って、親に内緒で中型免許を取った。
（取っている途中でバレたが）
１５１センチの身長で運動神経が鈍い私は、多額の追加料金を払い免許を取る。

どうせ最初は転ぶから、いいバイクを買ってももったいないだろうと、
相方が乗っていたバイクを譲ってもらった。
幸いその後バイクを壊すほどコケることもなく、
この１台を乗り続ける結果となった。
しかし就職して必要に迫られ車を買うと、なかなかバイクに乗らなくなり、
弟が３代目オーナーとして乗ることに。
その後、年数が経ちすぎていたバイクは走ることを辞めてしまった。

一番の思い出は北海道で１１月の美幌峠をバイクで越えたこと。
雪が積もる中、転ばないように必死で走った。
今思えば若気の至りってやつだ。

さよなら思い出のバイク。
さすがにトラックに乗せられたときは涙が出た。



子供の手が離れたら、もう一度バイクに乗りたい。
最近強くそう思う。